- 心電図には多くの情報が含まれている。
- 以下は心電図解釈の流れ。
- ディバイダーを忘れずに
- II、III、aVFで正のP波が規則的に出現、それに続いてQRSが続いていれば洞調律(SR)。
- それ以外は何らかの不整脈!
- I、IIともに陽性なら、正常軸。
- Iが陰性 = 右軸偏位 → 右室負荷所見を疑う → 心臓超音波検査を!
- IIが陰性 = 左軸偏位 → 何らかの基礎疾患の存在(例 : 下壁梗塞)→心臓超音波検査を!
- II、III、aVFで2mm以上 = 肺性P → 胸部X線写真を確認、心臓超音波検査を!BNP測定!
- I、aVLで二峰性、3mm以上の幅 = 僧帽性P → 心臓超音波検査を!
- V1で2mm以上の高さ = 右心性P → 心臓超音波検査を!
- V1で陰性成分が深く、幅も広い → 左心性P → 心臓超音波検査を!
- 200ms以下が正常
- 200msを越えている → 第I度房室ブロック
- 正常QRS( < 120ms)なら
- I、IIに幅1mm以上のQ波は無いか?
- Iにwide Q波 → 側壁梗塞(aVLにもQ波が出現)
- IIにwide Q波 → 下壁梗塞(III、aVFにもQ波が出現)
- V1は通常rS波形。V2〜V5にかけてR波は徐々に増高し、Sは小さくなる。さらにV6のR波は少し低くなる。このパターンは保たれているか?
- V1のr/s > 1 → 右室負荷(V5の深いSや右軸変位を伴う) → 心臓超音波検査を!
- V2〜V5にかけてのR波の増高不良 → 前壁中隔梗塞 → 心臓超音波検査を!
- V5のR > 25mm → 高電位差(ST-T変化があれば、左室肥大) → 心臓超音波検査を!
- V6のR > V5のR → 左室肥大 → 心臓超音波検査を!
- 幅の広いQRS( > 120ms)
- V1でM型 → 右脚ブロック
- V5でM型 → 左脚ブロック
- STはJ点の80ms後方で測定する
- 特異的なST変化があれば → 心臓超音波検査を!
- 陰性T波があれば → 心臓超音波検査を!
- 平低T波はないか?10mm以上のR波高のある誘導で、T波がR波の1/10以下
- IDは違っていないか要確認。
- 前回心電図は何時のものか?要確認。
- 必ず書く
- 書く前に12誘導心電図の自動解析結果は見ない!
自動解析結果が正しいとは限らない。Brugada型心電図の自動解析機能が無い機種もある。
90拍の洞調律。単形の心室性期外収縮の散発を認める。右軸偏位、左軸偏位は無い。P波は正常域であり、二峰性P、右心性P、左心性Pを認めない。PQの短縮、延長を認めない。QRS正常。異常Q波無し。ST変化を認めない。陰性T波、平坦T波を認めない。正常域の12誘導心電図波形と考える。PR 172ms、....前回の12誘導心電図施行はXXXX年YY月ZZ日である。f波を認め、心房細動であったと考える。診断:発作性心房細動を疑う。
SR 90bpm、VPC single +。軸変位無し。
pulmonary P(-)。
normal QRS、non Q。
no ST-T change。
negative T(-)、flat T(-)。
PQ、R+S、QTc
almost normal ECG。
前回心電図(YYYY/MM/DD)と比較して著変無し。